「やっとここまで」「スタートラインに立てた」。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求の方針決定を受け、元信者や宗教2世からは安堵(あんど)とともに、早期の解散命令を求める声が上がった。
12日午後、国会内で開かれた野党のヒアリングに出席した橋田達夫さん(65)は「やっとここまで来た」と声を震わせた。入信した元妻の献金額は約1億円に上り、家庭は崩壊。元妻と暮らしていた息子は自殺した。「統一教会という団体を絶対に残してはいけないと身をもって感じている。なかなか声が届かなかったが、前へ前へと進んで来られた」と感慨深げに話した。
両親が信者だった山本サエコさん(仮名)は「やっとスタートラインに立てた」とほっとした表情を浮かべつつ、「解散命令請求が出たから解決ではない。確定するまでは落ち着けない」と不安を吐露。「お金に執着する悪質な団体。地裁への申し立てを皮切りに財産が海外に流出すると思う。特別措置法などで、私たち被害者の実効的な救済が図れるようにしてほしい」と涙ながらに訴えた。
母親が元信者だった井田雫さん(仮名)も取材に応じ、「信教の自由を盾にせず、組織としてやってきたことを反省してほしい」と教団への憤りをあらわに。「元信者には心の傷を負っている人もいる。解散すれば抜ける人もいると思うが、誰に相談したらいいか分からないはず。匿名で相談できる体制を整えてほしい」と国への要望を口にした。