将棋の藤井聡太七冠(21)=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=は11日、京都市で指された第71期王座戦5番勝負の第4局で永瀬拓矢王座(31)を後手番138手で破り、3勝1敗として王座を奪取し、史上初めて全八大タイトルを制覇した。全冠制覇は、羽生善治九段(53)の七冠(1996年)以来4人目。
将棋のタイトルは、2017年に叡王戦が加わって八つになり、全冠制覇は八冠時代初の快挙となる。藤井八冠は20年に最年少で初タイトルの棋聖を獲得。今年6月に最年少名人になり七冠を達成し、残るタイトルは王座だけとなっていた。
出場したタイトル戦はすべて制し、獲得したタイトルは通算18期となった。6日から同学年の伊藤匠七段(21)を挑戦者に迎え、竜王戦7番勝負が開幕しており、今後も保持する八大タイトルの防衛戦が続く。
今シリーズは終盤の逆転勝ちが続き、第4局も敗勢からの劇的な勝利だった。藤井八冠は終局後、全冠制覇について「それに見合った力があるかというと、まだまだだと思うので、引き続き実力を付けていくことが必要かなと思う」と語った。
敗れて無冠となった永瀬前王座は「終盤で決定力が足りなくて、負けにしてしまうことが続いた。悲観せずに、今まで通り一歩一歩頑張っていきたい」と述べた。