苫小牧地域をはじめ北海道、東北、北陸の人々の暮らしを支えるエネルギー拠点の出光興産北海道製油所。現在231人の所員が在籍し、安全、安心を第一に石油製品製造と向き合う。そんな現場で働く所員らの素顔を紹介する。
1日2万3850キロリットルの精製能力を誇る原油の常圧蒸留装置や、精製過程で必要な水や電力などの用役(ユーティリティー)設備をつかさどる製油一課で同所唯一の現場女性所員、森沢花梨さん(20)=旭川市出身=。4直2交代制で昼夜を問わず、製造設備の24時間稼働を支えている。担当エリア内の設備運転・管理を担う「フィールドマン」として奔走している。
石油製品の輸送業に携わる父に憧れ、「同じような職種に就きたかった」と2021年に入社。「こんなに広いエリアで仕事をするんだ」と期待や不安が交錯する中、最初の1年ほどは先輩の業務に同行しながら、安全操業と危険物に対する心構えを習得した。
構内で入り乱れる装置音や臭い、振動に五感をフル活用してチェックするのが大きな役目。各装置の運転状況をはじめ構内の情報が集約されるプロダクションセンター内で、装置の制御や監視を行う直員仲間「ボードマン」の無線指示を受けながら、バルブの開け閉めなど操作も適宜行う。
昨年からは念願の独り立ち。「装置を自分で操作することに楽しさややりがいを感じる」と目を輝かせつつ、安全への意識もより高まった。経験豊富な先輩に助言を求めるなど誠実に対応し「一番分かりやすいのは目視。難しいのは音ですかね」。経験を重ねながら五感は着実に「出光仕様」になっている。
同課所員は自身以外、全員男性だが「女性一人と感じさせない雰囲気。先輩たちにすごく恵まれ、本当にこの会社に入って良かった」と日々実感。自らの目線で職場の改善点なども臆せず伝え、性別関係なく働きやすい場所への変革を加速させており、「今後入社を希望してくれる後輩たちのためにも、より快適にできるよう声を上げ続けたい」と力を込める。