「○○ペイで払い戻す」と言われたのに、逆にお金をだまし取られた―。商品の在庫切れを理由にスマートフォンの決済アプリで返金を持ち掛け、送金を誘導する手口が目立っている。国民生活センターは「『○○ペイで返金』は詐欺を疑って」と呼び掛けている。
全国の消費生活センターには3月以降、決済アプリで返金を受けるはずが送金してしまったとの相談が100件以上寄せられた。送金額は数万円から数十万円で、日常的に決済アプリを使う人からの相談もあるという。
インターネット通販でアクセサリーを購入した50代男性は、代金を振り込んだ後、販売業者から「欠品している。払い戻しは決済アプリで行う」とのメールが届いた。ビデオ通話で指示されるままアプリを操作したが、2、3日後に銀行口座の履歴を見ると、返金がないどころか、約10万円を送金していることに気付いた。
国民生活センターは、通販サイト自体が詐欺を狙って開設されたものとみている。大幅な値引きをうたい、支払いが銀行振り込みに限定されるなどの共通点があるといい、こうしたサイトは利用しないよう注意喚起している。