やっと魚っ気 わずかに 胆振地方、低調のサケ釣り

  • 釣り
  • 2023年10月5日
錦岡海岸で釣れたサケ
錦岡海岸で釣れたサケ
浮きルアーのフックに同時に2匹掛かった餌取りの小サバ
浮きルアーのフックに同時に2匹掛かった餌取りの小サバ

  胆振地方のサケ釣りは今季、低調が続いている。地域を代表するぶっ込みの人気ポイント・錦岡の年金浜(ダイナム裏)や白老の通称・オカモト前、浮きルアー中心に集まる伊達市チマイベツ川など、どこも9月の釣果は厳しく、大方の釣り人が「ボウズ」となっている。それでも先週以降、釣り場全体で数匹レベルの釣果情報が届き始めており、魚影は薄いながらも徐々に”魚っ気”が出てきだした。

   錦岡海岸では9月下旬、早朝から2、3時間の朝まずめにポツポツとサケが上がっていた。9月中旬まで釣果情報のほとんどない状態が続いていたが、例年だと最盛期のはずの下旬に入って釣り場全体で数匹程度の魚っ気がやっと出てきた。

   9月28日午後の同海岸、この日で今季延べ20回以上、ぶっ込み釣りで通っているという地元の60代は「先着組に聞けば早朝、釣り場全体で3匹くらい釣れたらしいが、午前10時の入釣時にはあちこちで場所が空いていた。午後2時すぎまで誰もさおは揺れていない」と苦笑い。「今年はまだ1匹。去年の今ごろは20匹以上釣れていた」とぼやいた。

   気象庁などが公開している9月の海面水温のデータを見ると、苫小牧の沖合は平年より4~5度高い24度前後の日が多かった。これを反映するかのように小サバの群れが波打ち際にいて、活発にサケ仕掛けの餌を食う。

   サケは冷水を好むため、高い海水温の影響が関係者の間で懸念されている。えりも以西、特に胆振海域の定置網漁は例年より極端に少ない水揚げが9月下旬まで続いた。海水温以外の要因も含めサケの資源数、来遊動向への影響も心配される。

   生まれた川へのサケの回帰は9~10月が最盛期。自然産卵のサケは11~12月にかけても遡上(そじょう)する。海水温は次第に低下しており、10月に入ってからは苫小牧沿岸で21度前後まで落ちてきた。サケ釣りはこれから終盤になるだけに今後に期待したい。

   苫小牧市内では、安平川の河口規制が10月から解除され、遅場でのサケ釣りが始まる。例年、噴火湾では豊浦から長万部(渡島管内)にかけて11月に入っても釣果が期待できる。60代の釣り人は「周りも釣れていないので仕方がない。それでもさおを出さなければ、魚が掛かることもない。寒くなるこれからに少し期待し、もう少し頑張りたい」と笑顔を見せていた。

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