埼玉県議会の自民党県議団は4日、子どもを自宅などに放置して外出することを虐待と定める改正条例案を議会に提出した。議員提案による罰則のない条例で、県民の意識改革が狙い。常任委員会での議論を経て可決される見通しで、周知期間を経て来年4月1日に施行される。
県虐待禁止条例改正案は、小学3年生以下の子どもを自宅や車などに残したまま親が外出することを一律に禁止する内容。小学4~6年生については自宅などに残さないことを努力義務とする。発見した県民には通報義務もある。県議団によると、子どもの放置を虐待と定める条例は全国初という。
子どもが事件や事故など危険な状況に置かれる事態を防ぎ、企業が社員を家庭に早く帰宅させることなどを促す狙いだが、子どもだけでの登下校や公園で遊ぶことも放置と見なされるため、4日の県議会本会議で行われた質疑では「範囲が広すぎる」といった指摘が他党派の議員から出た。
本会議後、自民党県議団の田村琢実団長は「日本は子どもだけでのお使いが称賛される社会で、これまでが甘過ぎた。県民の意識改革を行いたい」と話した。