産後うつを発症した女性は、血液中の抗炎症サイトカインであるインターロイキン(IL)ー4とILー10のレベルが妊娠中期は低いことが分かったと、東北大大学院などの研究グループが発表した。
サイトカインは、免疫細胞から分泌されるタンパク質で、ウイルスなどから体を守るために炎症反応を引き起こす炎症性と、過剰な炎症反応を防ぐ抗炎症性の作用を持つものがある。血中サイトカインの値は妊娠中も変化する。
研究グループは、東北地方の住民研究調査に参加した妊産婦のうち、産後1カ月以内に産後うつを発症した247人と、しなかった243人のデータを解析。妊娠中期と産後1カ月時の9種類のサイトカインレベルを比較した。
その結果、産後うつがあったグループでは、そうでないグループに比べ、ILー4が妊娠中と産後に低下し、ILー10も妊娠中のレベルが低かった。研究グループは「妊娠中から産後うつの発症を予測する指標になり得る」としている。
(メディカルトリビューン=時事)