妊娠中にスプレー製剤を使用した母親から生まれた子どもは、1歳までに腎泌尿器の異常を発見される頻度が高かったと、兵庫医科大などの研究グループが発表した。
研究グループは、「子どもの健康と環境に関する全国調査」に参加した母子8万4237組のデータを分析。母親の妊娠中の有機溶剤、防水スプレー、スプレー式殺虫剤、虫よけスプレー、除草剤の使用と、生まれた子の1歳までの腎泌尿器異常との関連を調べた。
その結果、1歳までに腎泌尿器の異常が指摘された子どもは799人だった。妊娠中に母親が防水スプレーを使用したグループでは、男児、女児とも異常が見つかる頻度が高く、スプレー式殺虫剤使用グループでは女児の異常が多かった。特に、防水スプレーと男児のぼうこう尿管逆流症、スプレー式殺虫剤と女児の水腎症の関連が強かった。有機溶剤、虫よけスプレー、除草剤との関連はなかった。研究グループは「今後はスプレー製剤の成分や量などを明らかにする必要がある」としている。
(メディカルトリビューン=時事)