9月30日から1日にかけ、苫小牧市桜坂町の住宅地付近で親子とみられるヒグマ3頭が相次いで目撃された。ドライバーなどから通報を受けた苫小牧署や苫小牧市が目撃現場周辺のパトロールを強化し、住民などに注意喚起している。
同署や市によると、目撃されたのはいずれも日新町と桜坂町を結ぶ糸井の坂道「市道桜坂中央通線」の中間付近。体長は1頭が2~1・5メートルで、残り2頭は約1メートルという。
目撃時間は30日が午後7時40分ごろと同9時10分ごろで、1日は午後7時45分ごろ。いずれも地域住民らが目撃した。
1日は、坂道を行ったり来たりした後、西の山林に姿を消す3頭を複数のドライバーが目撃し、同署に通報している。
市は同日夜、防災行政無線で桜坂、日新、宮の森、有珠の沢の4町にクマ目撃情報を周知。2日朝には防災メールや公式LINEでも発信した。
現場付近では、市職員が2日までに注意看板を設置。市ヒグマ防除隊とパトロールし痕跡が無いか調べているが、目立った被害は確認されていない。
桜坂町町内会も「熊出没」などと記したチラシを看板に貼り、小学生の登校時間帯に見守り活動を実施。環境部長の川村正尚さん(71)は「周囲が山で(ヒグマが)いてもおかしくないとは思っていたが、実際に出たと聞くと怖い。生活道路として住民がよく使う道なので、注意しなければ」と気を引き締めた。
市教育委員会は、1日夜までに現場から半径1キロ圏内の日新小学校と明倫中学校に情報提供。各校は一斉メールシステムで保護者に登校時に注意するよう促した。日新小は2日朝、登校時間に合わせて管理職らが車で通学路を見回った。市は当面、付近を車両巡回。夜間も目撃現場付近に車を止め、市職員が警戒する方針だ。