市民参加演劇(2) 鈴木(すずき)龍也(たつや)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年9月30日

 2019年、苫小牧市の市民参加演劇で長年演出をされてきた鳥嶋清嗣郎さんから引き継ぎ、演出を担当することとなる。

 しかしふたを開けてみると、退職後に自分の時間とお金をふんだんに使ってきた鳥嶋さんがつくり上げたシステムは、仕事と演劇を両立させる自分たちには少々酷な仕組みだった。参加者の作品へ向き合う意識、出演者の身体性をはじめ、いろいろなことから変えていく必要があったのだ。

 自分が演出を担当する際に、必ず課する考えとして「チケット代に見合う、もしくはそれ以上の価値のある作品かどうか」を念頭に置く。大きい劇場で1万円に近い金額で、2、3時間の上演時間の作品を見て「見に来て良かった」と思うことがあれば、80分の小劇場の作品を見て「お金を返してほしい無駄な時間だった」と思うこともある。その人が時間もお金もかけて、わざわざ家を出て舞台を見に来るのだ。

 市民参加演劇の公演が、出演者が楽しむことだけに重きを置いたものなら入場無料で良い。しかし、チケット代を頂く以上は観客に対し、その期待への責任を負う必要がある。映画のように予告編があるわけではなく、音楽ライブのように事前にリリースされているわけでもない。事前の情報がないまま、目の前でどんな世界が繰り広げられるのかと期待して来る観客の期待を裏切れば、次は無い。

 市民参加演劇祭は年々観客も参加者も減少していると聞く。ならば、見に来た人がまた来たい。自分も参加したい。そう思える舞台をつくれば良いのだ。だが、それが一番難しいところである。

 (舞台演出美術家・苫小牧)

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