ペットを飼っている人であれば、共通認識だと思っていた。「ペットは家族の一員」。いろんなところでよく聞く言葉で、記者はずっとそう感じていた。しかし、ペットとの接し方は、当然ながら人それぞれ。「しょせんは動物」「ペットはペット」などの声も聞く。人間と動物の区別が、必要と考える人は多い。
かくいう新聞記事も、その線引きは明確だ。例えば命の重たさにもつながる死の表記。「死亡」や「亡くなる」という言葉は人間にしか使わず、動物は「死んだ」などと表すしかない。愛情を込めて育ててきたペットに対しては、直接的で身もふたもない表現が、好きではない。
「虹の橋」という詩がある。ペットの死語の世界をつづった内容で原作者不詳。動物の命の灯が消えたときに集まる、天国の少し手前にある虹の橋は、いつか飼い主と再会する場所で、その描写が心に響く。絵本にもなっており、記者もせんだって手に取った。約18年間共に過ごした愛犬が、虹の橋に向かった。
「ペットロス」「ペット終活」などの言葉もある時代。飼い主の責任として、ペットの最後と向き合う以上、後悔しないよう毎日を大事に過ごし、そして乗り越える必要がある。記者も愛犬との出会いに感謝している。(金)