近年、苫小牧や室蘭でも海岸や港から青物などを狙うショアジギングが定着してきた。特にブリ(フクラギ)は魚影が濃くなっていて、一般に80センチ以上をブリ、これより小さいのをハマチ、フクラギなどと呼ぶ。室蘭港で70センチ級が上がっているとの情報があったことから9月上旬、同港でトライした。
タックルは11フィートのルアーロッドと4000番台のスピニングリール。ラインPE1号にリーダーを1メートルつなぎ、ジグは30~40グラムを用意した。
岸壁ではフクラギ狙いの釣り人3人が、いずれもジグを投じて中~表層辺りの速いジャークで魚を誘っている。すると釣りの準備中、遠くで魚がヒットし、さおが大きくしなった。取り込んだ魚は、遠目に見ても大物と分かる60センチオーバーのようなハマチ級だった。
釣り倶楽部担当は、サクラマス釣りの際に苫小牧市内の海岸で30センチほどのフクラギを釣ったことはあるが、このクラスを狙うのは初めて。気持ちを高ぶらせて釣りを始めると、なんと予想だにしない2投目で魚信が来た。さおごと持っていかれそうになり、同時にラインがドラグを鳴らして猛烈な勢いで出ていく。が、直後にルアーのフックは外れ、しっかりやりとりする間もなくばれてしまった。
この間、恐らく5、6秒。強い引きの手応えだけが残り、何もできなかった悔しさがこみ上げる。「フックが小さ過ぎたか」。自分を納得させる言い訳を都合良く探し、すぐにひとサイズ大きいフックに交換。開始早々の魚信にまだチャンスはある―と気を取り直し、釣りを続行した。
海面を見るとイワシか小サバの群れが行き来していた。大物はこれを追っている。30分ほど辛抱強くさおを振り続け、ようやく来た再度の魚信は先ほどより明らかに小さい。それでも2度のばらしは避けなければと、たも網を使って取り込んだ魚はフクラギの50センチ弱だった。その後もさおを振ったが、時合いは過ぎて周囲も魚信が遠のいた。
地元の釣り人によると、室蘭のフクラギの平均サイズは50センチ前後。大物だと70センチを超える。季節が進むと大型が港内奥の水路まで餌を追って回遊するという。苫小牧港でも東港一本防波堤でフクラギがサイズアップし、ハマチ級の知らせも届いた。10月いっぱいまで青物のファイトが楽しめそうだ。