貧困などの社会経済学的理由で、十分な質と量の食事が取れない「フード・インセキュリティー(食料不安)」の状態になることは、中高年時の記憶力低下につながる可能性があると、米国の研究グループが発表した。
研究グループは、50歳以上を対象とした健康と退職に関する研究の参加者から、1998年の調査で食料不安の有無に回答し、2016年までに記憶機能に関する情報が1回以上得られた男女1万2609人(平均年齢67・7歳)のデータを解析。18年間の追跡調査で、食料不安と記憶力との関係を調べた。1998年に食料不安の状態にあったのは658人だった。
解析の結果、食料不安がなかった人と比べ、あった人は記憶力の低下速度が速く、10年間で0・67年さらに記憶低下が進むと推定された。
(メディカルトリビューン=時事)