低濃度アトロピン点眼薬 子どもの近視を抑制?

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  • 2023年9月27日

  眼科検査などで使われる「アトロピン点眼薬」が、子どもの近視の進行を抑制することが分かったと、米国などの研究グループが発表した。

   子どもの近視の原因は、眼球の奥行き(眼軸長)が伸びることとされ、眼科検査時に瞳孔を広げる用途などで使われるアトロピンは、眼軸長の伸長を抑制する効果が指摘されている。

   研究グループは、欧米5カ国の近視がある子どもを対象に、(1)低濃度アトロピン0・01%(2)同0・02%(3)プラセボ(偽薬)の3グループに分け、1日1回点眼してもらい、3年間追跡調査した。

   点眼開始時に6~10歳だった489人のデータを解析した結果、近視の進行を抑えられた割合は、プラセボグループの17・5%に対し、(1)グループは28・5%、(2)グループは22・1%といずれも高かった。ただ、近視の進行抑制と統計学的に有意な関連が認められたのは、(1)グループのみだった。

  (メディカルトリビューン=時事)

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