眼科検査などで使われる「アトロピン点眼薬」が、子どもの近視の進行を抑制することが分かったと、米国などの研究グループが発表した。
子どもの近視の原因は、眼球の奥行き(眼軸長)が伸びることとされ、眼科検査時に瞳孔を広げる用途などで使われるアトロピンは、眼軸長の伸長を抑制する効果が指摘されている。
研究グループは、欧米5カ国の近視がある子どもを対象に、(1)低濃度アトロピン0・01%(2)同0・02%(3)プラセボ(偽薬)の3グループに分け、1日1回点眼してもらい、3年間追跡調査した。
点眼開始時に6~10歳だった489人のデータを解析した結果、近視の進行を抑えられた割合は、プラセボグループの17・5%に対し、(1)グループは28・5%、(2)グループは22・1%といずれも高かった。ただ、近視の進行抑制と統計学的に有意な関連が認められたのは、(1)グループのみだった。
(メディカルトリビューン=時事)