祖父母の話。私には父方に96歳の祖母、母方に91歳の祖父と87歳の祖母がいる。高齢になり、認知症や足腰の弱りはあるが、今も施設や自宅で暮らしている。
父方の祖母は、祖父が亡くなってから数十年1人で暮らしており、近くに住んでいても私たち家族を頼ることはほぼ無い気丈な人で、散歩中にごみのポイ捨てをする人を見つけようものなら、注意するほど正義感が強い。
母方の祖父は、近ごろ足腰が弱ってはきたものの、昨年ごろまでは長年散歩や畑作業、山菜採りなどを楽しみ、町内会活動にも積極的に参加していた。とても温厚な人で、小さい頃は「赤とんぼ」を歌っていてくれた記憶が残っている。
母方の祖母は、今でも毎朝起きたら化粧をして、いつ遊びに行っても家が散らかっていたことは一度も無いほどきちょうめんな人だ。先日、包括支援センターの職員に「お若いですね」と褒められて、「顔は若いの」と全く謙遜せずに答えていたのには笑った。
私が子どもの頃、祖父母は隣の町内に住んでいた。夏休みなどに遠方の祖父母の家へ遊びに行く友人をうらやましく思ったこともあったが、今は頻繁に顔を合わせられる距離にいてくれたことを、とてもありがたく思う。父や母には怒られることはあったが、祖父母には怒られた記憶が全く無い。今でも遊びに行くと喜んでくれて、おいしいものを食べさせてくれて、お土産を持たせようとしてくれる。無条件に愛されていると思える環境が、子どもの頃も今も私にとってよりどころになっていると思う。敬老の日に改めて「じいちゃん、ばあちゃん、ありがとう」
(コミュニティナース・苫小牧)