サケの豊漁を祈り、海の恵みに感謝する第33回しらおいチェプ祭(実行委員会主催)が24日、白老町石山の汐音ひろばで開かれた。秋サケの味覚とアイヌ文化の魅力を堪能しようと町内外から約3000人(主催者発表)が訪れ、にぎわった。
チェプ祭は、アイヌ民族が神の魚(カムイチェプ)として大切にするサケの遡上(そじょう)を祝う行事。地元のアイヌ民族の人々が中心となってつくり上げている。かつてはポロト湖畔で開かれていたが、民族共生象徴空間(ウポポイ)開設に伴う工事を機に、2017年から同ひろばで開いている。
会場では、幅3・5メートル、奥行き1・5メートルの盛り土にした炭火の炉でじっくりと焼き上げたサケの串焼き「チマチェプ」が販売され、午前中で600串が完売した。伝統食のサケの汁物「チェプオハウ」やイナキビご飯も提供され、町民らが舌鼓を打った。
実行委の山丸和幸委員長は「今後も町内各団体の協力をいただきながら、祭りを継続していきたい」とあいさつ。帯広カムイトウウポポ保存会が古式舞踊「ポロリムセ」を踊り、来場者も一緒に輪踊りを楽しんだ。また、札幌市在住の歌手、豊川容子さん(45)が伝統歌や語りを披露し、大きな拍手を浴びた。