日本糖尿病協会などは22日、「糖尿病」という名前には患者側の不快感が強いなどとして、新たな呼称に英語名の「ダイアベティス」を使う案を公表した。ただ、呼称変更を決定したわけではなく、今後1年程度かけて患者や家族、医療従事者らから意見を募り、最終的に決める方針だ。
糖尿病は、インスリンの働きが低下し、血糖値が高くなる病気。病名は日本内科学会が1907年に決めたが、現在では尿に糖が混じるとは限らないことが分かっている。
同協会の調査では、約8割の患者が「尿」という言葉が持つ負のイメージからの変更を希望した。ただ、病名を変える場合は国に報告して行政文書を変える必要があり、時間がかかる。内部で検討した結果、まずは国際的に広く使われるダイアベティスという呼称を有力候補にすることを決めた。
同協会の津村和大理事は記者会見で「誤解や誤った印象を取り除く上でダイアベティスが第1候補となったが、われわれが呼称を一方的に変更して強要するものではない。変更には社会全体の合意を得ることが欠かせない」と話した。