胆振、日高地区の青年神職会は20日、厚真町桜丘の森田明央さん(56)が所有する田んぼに設けた「神田」で、恒例の「抜穂(ぬいぼ)祭」を執り行った。秋晴れの下、若手神職と関係者らが鎌を振るい、日胆の24神社や新嘗祭(にいなめさい)で伊勢神宮に奉納するための稲を刈り取った。
日胆の若手神職が米作りについて学び、収穫までを体験する取り組みとして2005年から継続している。
今年は5月中旬に「御田植祭」を行い、125平方メートルの神田に「ななつぼし」の苗を手植えした。森田さんは「暑さがひどく、収穫期には雨が続き、管理が大変だったが、米の仕上がりはばっちり。味も問題ないし、数量的にも平年並みだ」と太鼓判を押した。
稲刈りに先立ち、黄金色に輝く神田の前で神事の祝詞奏上などを挙行。田んぼに入り、鎌を振るって稲穂を丁寧に刈り取った。
日高青年神職会の楡田美浩代表(46)=平取町・義経神社宮司=は「かつての農作業に思いをはせ、お米を作ることは神社にとっても大事なこと。収穫できることに感謝しながら作業に携わった」と話していた。