慢性腎臓病がある高齢の心不全患者のうち、入院中の腎機能悪化の程度が重度の人は、退院時の身体機能が低下していたと、神戸大学大学院などの研究グループが発表した。
研究グループは、2017~20年に急性心不全または慢性心不全からの急激な悪化で入院し、心臓リハビリテーションを受けた慢性腎臓病合併患者196人を、入院中の腎機能悪化の程度が「なし(105人)」「軽度~中等度(36人)」「重度(55人)」の3グループに分け、入院前の歩行レベルや、入院時と退院時の身体機能などを比較し検討した。
その結果、3グループ間で入院前歩行レベルに差はなかったが、腎機能悪化が重度のグループは退院時の身体機能が低く、日常生活動作が制限されるリスクも高かった。
研究グループは「退院時の身体機能低下を予防するには、入院中の腎機能悪化を避けることが重要だ」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)