保険金不正請求問題を抱える中古車販売大手ビッグモーターは14日、取引先の銀行団と2回目の協議を行った。同社は問題発覚以降、顧客離れで売り上げが大幅に減少しており、経営立て直しに向けてスポンサーを選定する意向を示し、取引継続に理解を求めた。身売りの可能性を含めて抜本的な経営再建策の検討を進める。
ビッグモーターは三井住友銀行など3メガバンクと東京都内で協議し、経営状況を報告。今後の融資などについても相談したとみられる。同社はコンサルティング大手デロイトトーマツと再建計画の策定を進めている。
ただ、足元では厳しい経営環境が続く。一連の問題を受けて信販大手ジャックスはビッグモーター全店での自動車ローンの新規受け付けを停止。中古車情報検索サイト「カーセンサー」も掲載を取りやめるなど、取引先の離反が相次ぐ。
さらに、大手損害保険会社が保険代理店契約の解約や事故車両の紹介停止を表明し、保険の募集や自動車整備などの関連事業も回復が見通せない。ビッグモーターは業績悪化を受け、これまでに5店舗の閉鎖を決めるなどして手元資金の確保に動いている。
ビッグモーターは8月、銀行団と1回目の協議を実施。返済期限が迫った借入金90億円の借り換えを打診したが銀行団は応じず、その後返済している。