【ニューヨーク時事】米誌タイムは13日、政治やビジネス、社会活動など各分野で未来を担う「次世代の100人」を発表し、陸上自衛隊在職中に受けた性被害を告発した元自衛官の五ノ井里奈さんを選出した。「性暴力について話すことがタブー視されてきた日本で、被害者が声を上げる扉を開いた」と評価された。

　「提唱者部門」で選ばれた五ノ井さんについて、選評は「東日本大震災で被災後、女性隊員に助けられた経験から自衛隊員を志した」と紹介。性暴力により「夢は悪夢に変わった」が、実名告発が全自衛官らを対象としたハラスメント調査につながったと解説した。

　また「指導者部門」には、中国・新疆ウイグル自治区出身の両親を持つ英利アルフィヤ衆院議員（34）が選ばれた。国会議員の多数を男性が占め、その平均年齢も高い日本で「多様性の擁護者」だと指摘した。

　タイム誌は毎年「世界で最も影響力のある100人」を公表。「次世代の100人」は2019年から始まり、過去には小泉進次郎元環境相や、人気漫画「鬼滅の刃」の作者、吾峠呼世晴さんらが選ばれている。