内視鏡検査などで異常はないが、胃もたれといった不快な症状が続く機能性ディスペプシア(FD)の患者は、食べ物の画像を見るだけで脳の活動が高まり、負担がかかることが分かったと、川崎医科大などの研究グループが発表した。
研究グループは、FD患者12人、過敏性腸症候群(IBS)患者13人、健康な人16人に、(1)脂肪分が多い(2)少ない(3)中間の食べ物の画像計40点を7秒ずつ見せて脳の血流を測定。食べ物への好みも0~100点で答えてもらった。
その結果、脂肪の多い食事を食べると症状が誘発されるFD患者は、IBS患者や健康な人に比べ、脂肪分が多い食事の点数が低かった。また、食事画像を見た時のFD患者は脳の血流量が増加し、活動が高まっていることが示された。研究グループは「FD患者は特定の食事後に腹痛を何度も経験し、食事画像を見てストレスを感じるようになったと推定される」とした上で、「血流を測る方法は新たな診断法開発につながる」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)