京都アニメーション第1スタジオが放火され36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第3回公判が7日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、初の被告人質問が行われた。青葉被告は2006年に女性への暴行と窃盗の罪で逮捕された際に、「とにかくもう全部嫌になった」と心境が変化したと語った。
この日は弁護人が現在の体調や、被告の幼少期から30歳前後までの生い立ちに関して質問した。
青葉被告は定時制高校を皆勤で卒業したが、入学した専門学校をすぐに辞めた。アルバイトも「サボる人間が優遇されるので、やる気がなくなった」とし、いずれも半年程度しか続かなかったと明かした。06年の逮捕後は「自分がやれることはやった。これ以上はできない」などと思い、諦めの感情を抱くようになった。
現在の体調に関して、自力で歩けるか質問された青葉被告は「できないと思う」と答えた。全身に負ったやけどで「基本的に汗腺を取っ払っているので、頭と胸以外は汗をかけないと聞いている。痛覚も取っ払っている。温度も感じにくい」と述べた。
放火事件については自身の身柄を確保した警察官のことに触れ、「火災の割には警察(の到着)が早く、公安の人間だと思った」などと話した。
被告人質問に先立って行われた証拠調べでは、事件前まで青葉被告を担当していた訪問看護師の供述調書が読み上げられた。18年5月に自宅を訪れた際、包丁を振りかざす青葉被告に胸ぐらをつかまれ、「しつこいんだよ、つきまとうのをやめろ」と怒鳴られたことを明らかにした。