夏の甲子園が終わると、北海道は秋の気配が近づく。例年、甲子園の余韻が残る8月下旬から9月にかけて室蘭支部の秋季高校野球は組み合わせ抽選がある。今月上旬に開幕となるが、今年は3週間ほど遅いという。
遅くなった背景には、8月中旬まで戦う甲子園出場チームへの配慮が考えられるほか、今年から秋の全道大会の会場が札幌ドームに移ったことがある。全道大会は10月18日のスタート。ドームになったことで悪天候による順延や日没の不安が解消されるほか、寒さ対策もカバーできる。これまで秋の全道大会は札幌市内の円山球場、麻生球場が会場。秋の天候不順による順延や悪天候による寒さは選手の敵だった。
秋は来春のセンバツを懸けて1、2年生の新チームによる戦い。室蘭支部の指導者に聞くと「3週間遅いのは助かる。例年より新しいチームづくりがしっかりできる」「時間はあるが、遅くなるほど日没で暗くなる時間が早くなり、外での練習時間が限られる。照明など施設・設備が整っている学校はいいが、そういう学校に比べてメリットは少ない。確かに時間があるのはいいことだが、もろ手を挙げて喜ぶまでは…」。新しいルール、試みも格差を考えざる得ない難しさ。(高)