秋のウトナイ湖と水鳥 羽毛に引っ付くヒシの実

  • レンジャー通信, 特集
  • 2023年9月1日
独特な形のヒシの実
独特な形のヒシの実
食事中のヒシクイ
食事中のヒシクイ

 ウトナイ湖は間もなく水鳥の秋の渡りのシーズンを迎え、数千羽の群れが湖上を埋める光景が見られるようになります。ウトナイ湖を訪れる水鳥は、ガン類、カモ類、ハクチョウ類など、これまでに42種が記録されています。その中でもガン類が毎年数多く確認されており、昨シーズンの秋の渡りの時期には、ヒシクイが9月14日から11月27日まで、マガンが9月16日から12月25日まで観察されました。今年も「ギャハハン、ギャハハン」という鳴き声を響かせて、彼らがやってくるのが待ち遠しいですね。

 ガン類は、越冬のために餌を求めて北から南へ移動する途中で、羽を休める中継地としてウトナイ湖を利用しています。ヒシクイはその名の通り、「ヒシ」という水草の実を食べますが、ヒシも一方的に食べられているだけではありません。ヒシの実は独特な形をしていて、両側のとがった部分が釣り針のかえしのような形になっており、ヒシクイが夢中になって実を食べている間に、お腹の羽毛に引っ付くようになっています。これは、種子の散布方式の一つで、「動物散布」といい、ヒシクイがヒシの実を付けたまま移動することで、ヒシは分布を広げることができます。

 このように多くの水鳥とその生息地を支えているウトナイ湖は、ラムサール条約(正式名称・特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録され、保全されるとともに動植物との関わりを学べる場となっています。

 ネイチャーセンターでは、日本野鳥の会苫小牧支部との共催で、水鳥たちの姿をご紹介するイベントを30日午後1時半~同3時半に開催します(事前申し込み不要、当日ネイチャーセンター集合)。スタッフの解説付きですので、バードウオッチングは初めてという方でもお気軽にご参加ください。

 (日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・山口藍レンジャー)

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