苫小牧市中心部で26、27両日に行われた入場無料の野外音楽祭「活性の火‘23」(実行委員会主催)について、実行委は約1万8000人が来場したと発表した。2日目は大雨のため最終盤で中止になったが、規模を縮小した前年(約3000人)の6倍に上った。実行委は中心市街地活性化の効果を検証した上で、来年も開催するか検討する。
コロナ禍での中止や規模縮小を経て、今年は4年ぶりに中央公園(若草町)の2ステージ、アカシア公園(王子町)、ライブハウス「ELLCUBE(エルキューブ)」(同)の計4ステージを復活させ、道内外のアーティスト総勢67組の出演を予定した。
初日は約4500人が来場。2日目は大幅に増え、中央公園の最も大きいステージ前は手拍子や両手を突き上げ盛り上がる人であふれた。夕方に非常に激しい雨に襲われ、午後4時半すぎ、出演者と観客の安全を優先し1組を残して中止としたが、初日を大幅に上回る約1万3500人がライブを楽しんだ。
杉村原生実行委員長は「最後までできず無念さはあるが、見に来た方々に喜んでもらい、励ましの言葉に支えられた」と振り返る。9月3日までインターネットで資金を募っているクラウドファンディング(CF)も音楽祭終了後に寄付件数が伸びており、大雨への対応で増加が見込まれる経費に充てられると感謝する。
衰退する市中心部の活性化を目指して2014年に始まった音楽祭で、今回初めて商店街や金融機関、市民グループによる他のイベントと時期を合わせて開催できたことにも喜ぶ。杉村実行委員長は「音楽を楽しんでもらうことに加え、どれだけまちに波及効果を与えられたかも開催する上で大事な要素。来年できれば10周年になるので、まちに何を残せるかをじっくり考えて決めたい」と語った。