白老町は26日、津波を想定した全町対象の避難訓練を虎杖浜生活館で行った。地域住民や町職員、自衛隊、婦人会など約150人が参加し、避難経路などを確認した。段ボールベッドの設置の様子も見学し、防災意識を高めた。
訓練は、日本海溝沿いを震源にマグニチュード9を超える地震が起き、その後、高さ9メートルの津波が町内に押し寄せる想定で行われた。サイレンと防災無線が会場周辺に鳴り響くと、住民が避難経路などを確認しながら、虎杖浜生活館に次々と集結した。大塩英男町長は「どんな状況でも最善を尽くし、率先して避難することを心に刻んで」と訴えた。
その後は、NHK札幌放送局の職員が、拡張現実(AR)をモニターに映して津波による浸水の状況を映像で伝えた。町の自主防災組織「しらおい防災マスター会」は、避難所用の物品を扱う訓練として段ボールベッドを組み立てて見せた。
会場敷地内では、陸上自衛隊第73戦車連隊や北海道警察、白老町消防本部が炊事車や救急車、パトカー、消防車両を展示した。
町を挙げての避難訓練は、2011年に発生した東日本大震災を教訓に、防災対策の課題を把握し、解決するのが目的。コロナ禍の時期を除き、毎年実施している。