白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は28日、白老町のウヨロ川と白老川が合流する河口で、川に入ってくるサケを迎え入れる伝統儀式「ペッカムイノミ」を行った。同協会の会員やアイヌ民族文化財団の職員約30人が神々に豊漁を願った。
民族衣装を身に付けた参列者たちは「フッサ、フッサ」と唱えながら地面を掃いて河川敷を清め、サケを供えたヌサ(祭壇)を設けた。トマリオルンカムイ(船着き場の神)、ペップトゥンカムイ(河口の神)など5神を祭り、祈りの言葉やトノト(酒)をささげた。同財団の若手職員も儀礼を学ぼうと加わり、イナウ(木幣)などの祭具も作った。
ペッカムイノミは、サケの遡上(そじょう)時期に毎年行っている。旧アイヌ民族博物館が長く実施しており、同協会の主催では2008年以来4回目の実施。祭司を務めた同協会伝承事業統括理事の新井田幹夫さん(71)は「次の若い世代にも儀式を伝えていくことができれば」と話した。