洋上風力発電事業を巡り、秋本真利衆院議員(48)が風力発電会社「日本風力開発」(東京)の塚脇正幸社長(64)から多額の資金を受領した事件で、東京地検特捜部が秋本議員から任意で事情聴取したことが25日、関係者への取材で分かった。資金の流れや趣旨などについて説明を求めたとみられる。
特捜部は同日までに、秋本議員の議員会館事務所などを収賄容疑で、塚脇社長の自宅などを贈賄容疑で捜索し、同社長から任意で複数回聴取。秋本議員の説明も踏まえ、立件の可否を判断するとみられる。
関係者によると、秋本議員は2021年から今年にかけ、塚脇社長から計約3000万円を受領するなどした疑いが持たれている。
日本風力開発は国内外で290基以上の風力発電を開発した実績を持ち、青森県の陸奥湾などで洋上風力発電事業への参入を目指している。しかし、20年11月に始まった秋田県沖などの公募では選ばれなかった。
秋本議員は19年の国会質問で「国防に支障がないなら、洋上風力が青森県でもしっかりと展開されるべきだと思う」と発言。22年には「次回の公募から評価の仕方を見直していただきたい」と要望した。
特捜部は、資金は同社に有利な質問をしたことなどへの見返りの趣旨が含まれていたとみて捜査。社長側は当初、賄賂を渡したことについて否定していたが、今月中旬、一転して認める意向を示した。