9月の「防災月間」を前に、白老東高校(小川政博校長)は23日、全校生徒141人を対象に「一日防災学校」を校内で開いた。生徒らは東日本大震災に関する動画鑑賞や講話、救急救命講習や避難訓練などを通して、不測の事態への心構えを学んだ。
一日防災学校は道が実施している防災教育プログラム。災害時の高校生の役割について考える機会にしてもらおうと、昨年初めて開催した。
体育館では、陸上自衛隊北海道補給処白老弾薬支処長の常多憲さん(46、1等陸佐)が全校生徒に講話した。東日本大震災発災時に群馬県の相馬原駐屯地・第12旅団司令部に駐在し、人命救助、救援物資輸送、がれきの除去などに従事しており、経験を基に、災害時は携帯電話がつながらないことがあると紹介した。物流が停止してスーパーやコンビニでは品切れになり、ガソリン、灯油、電池などのエネルギーの不足も起きやすいことを伝え「災害の実情をイメージし、どんな備えが必要か考えて」と呼び掛けた。また、止血法や毛布を使った簡易担架の作り方を紹介。「皆さんにも救える命がある。スキルとして身に付けて」と呼び掛けた。
このほか、学年ごとに避難所運営を疑似体験する道危機対策課のカードゲーム「Doはぐ」に挑戦したり、災害に備えて段ボールを使った避難所設営を体験したりした。
白老町消防本部は自動体外式除細動器(AED)を使った救急救命講習を実施。NHK室蘭放送局の関係者も同校で映像を使った防災教室を開き、命を守る大切さを訴えた。
生徒会長で3年の佐藤将斗さん(17)は「自分や周りで助けを求める人がいたら、今回学んだ止血法などで役に立ちたい」と話していた。