東京電力福島第1原発がある福島県内では、24日に始まった処理水の海洋放出についてさまざまな意見が上がった。
いわき市の小名浜港に面する大型商業施設。海産物販売店に勤める山崎誠一さん(50)は「政治家の言葉は信用できない。補償すると言っても、因果関係が証明できないと門前払いされるだろう」と訴えた。それでも「暗いことを言ってもしょうがない。明るく考えて流れに身を任せる」と話した。
同じ施設内でまぐろ専門店を営む高木克昌さん(63)は、「薄めて海に流すのは自然な考え。事故だったのだから仕方ない」と理解を示した。
一方、いわき駅前で放出に反対するデモに加わった郡山市の黒田節子さん(72)は、「他に選択肢がある中で、最悪の選択だ」と怒りをあらわに。デモ参加者の女性(66)は「福島県産の海産物から遠ざかる人が風評被害を生むのではなく、(処理水を)流さなければいい話だ」と訴えた。
いわき市の女性会社員(62)は、廃炉に向けて必要な工程とした上で、「トリチウムは騒がれているほど恐ろしいものとは思わない。現実を理解し、正しく恐れるべきだ」と話した。