苫小牧港・東港の有料釣り施設「一本防波堤」でヒラメが好調だ。6月から7月にかけて弁天海岸、苫小牧市元町の護岸などでいくらか釣果が出ていたが、一本防波堤は夏盛りの8月になってもコンスタントに釣れている。19日午後も、ヒラメ狙いで一本防波堤に入った釣り人が45センチのヒラメをルアーで上げた。釣り場を運営する苫小牧港釣り文化振興協会は「今季は狙って釣れている」と、かつてないヒラメの魚影の濃さに手応えを感じている。
この釣り人は苫小牧市の七戸順一さん(67)。同協会のスタッフを務めており、自身も釣り愛好者。この日は午前中で一本防波堤の業務を終え、午後からは一般来場者の1人になって入釣した。
七戸さんは仲間内では有名な”ヒラメハンター”。ハイシーズンの初夏は毎年、噴火湾に出掛け海岸からの「ジギング」で狙う。今季は海岸でのサクラマス釣りが始まった春から弁天海岸でヒラメの情報が聞かれたことから、初夏に一本防波堤右岸の砂浜で試し釣り。60センチのヒラメを掛けて「狙って釣れる」ことを裏付けた。
この日入ったポイントは、防波堤先端から20メートルほどの辺り。潮回りは満潮に向かう上げ潮時。七戸さんは32グラムのメタルジグを70~80メートルほど中央水路に向けてキャストした。底に張り付いている魚にルアーをしっかりと見せることを意識し、ゆっくりめのジャークとフォールを繰り返した。
釣り始めてわずか5、6投目、ジャーク後のフォールでいきなりの魚信。上がってきたのは45センチのヒラメ。ルアーの後部に付けた大きめのトレブルフックをガッチリとくわえていた。自身、苫小牧でのヒラメとしては今季10匹目という。
タックルは10・9フィートのスピニングロッドと3000番台のリール。これに1・5号のPEラインを巻き、ナイロン30ポンドをリーダーとして1メートルほどつないだ。ジグは表面を一部削り、水中での挙動がより活発になるよう加工。後方に鉛を接着して飛距離を確保できるよう改造している。
「ヒラメは朝夕のまずめ時とか夜が釣れるというが、昼間でも普通に釣れる。結局は、ヒラメの目の前にルアーを通せられれば釣れるということ」と七戸さん。施設を開放してまだ2季目の一本防波堤。ヒラメの釣果は、釣り場としての可能性と魅力を高める好材料だ。