港の歴史と海の生き物(上)自然豊かなフェリー航路

  • 特集, 苫小牧市美術博物館
  • 2023年8月23日
フェリー上から撮影したキタオットセイの群れ

 苫小牧市美術博物館第3展示室で9月3日まで、特集展示「〈はちとま〉の海にまつわる自然と歴史」が開かれている。苫小牧港―八戸港(青森県)間のフェリー航路開設50年、苫小牧港開港60周年を記念し、自然史と歴史の2部門に分け、計約40点を展示している。それぞれの担当学芸員が展示物を紹介する。

 ◇

 1973(昭和48)年に就航した苫小牧―八戸間の航路は、今年で50周年を迎える。その航路は二つの都市を南北にほぼ真っすぐ結び、距離にして約242キロ、現在のフェリーで約8時間の行程である。

 太平洋を縦断するこの航路は、海鳥やクジラ類が多く見られる海域として知られており、フェリーを利用した専門の観察ツアーまで存在する。しかし、これまで学術的に調査されたことは少なく、どんな海洋生物がいつ出現するかといった情報は乏しかった。今回、展示を開催するに当たり、フェリー上からの海洋生物調査を試みた。

 調査は、海洋生物が移動を始める3月と5月に実施した。比較的、天候と海況が良い日を選んだが、5時間以上波に揺られながら双眼鏡で海洋生物を追い、調査用紙に時間、位置、種名、数と行動を記録し、静止画や動画をカメラで撮影するという作業は困難を極めた。それでも3月はミツユビカモメの大群や3種類のアホウドリ類を、5月は希少種のウミガラスに加え、キタオットセイが多数出現する様子を記録した。

 今回は合計4回のみの調査だったが、海鳥や海生哺乳類など約31種類、約1200個体を記録し、季節による種類の変化も捉えることができた。今回の展示ではこの成果を基に剝製と写真、動画で構成している。特に動画のキタオットセイがひれで「○(マル)」を作って休む姿は必見である。ぜひご覧いただき、苫小牧―八戸間の海の自然の豊かさを感じてほしい。

 (苫小牧市美術博物館学芸員 江崎逸郎)

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