白老東高校(小川政博校長)の3年生10人は21日、名古屋外国語大学(愛知県日進市)世界共生学部の学生らとオンラインで交流した。3年生の選択科目「地域学」の一環で、大学生らが調査活動で白老を訪れるのを前に、互いに自己紹介し、再会を約束した。
同大の2、4年生やOGら12人は23日から9月2日まで白老に滞在し、多文化共生と地域創生をテーマに調査活動を行う。同校は25日と30日にアイヌ民族の伝統料理オハウ(温かい汁物)づくりや町中心部の商店の取材を予定しており、大学生らはこれに同行し、取材や動画撮影をサポート。地元目線と外部の視点を合わせることで地域の再発見につなげる。
この日は、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って、どんな子ども時代を過ごしたかや、最近あった面白い出来事などを語り合った。町東町在住の3年生、山本大智さん(17)は「まちの絶景スポットなどを質問され、言いよどんでしまう瞬間もあった。聞かれても困らないくらい白老の魅力を紹介できる自分でありたい」と話した。
同校の地域コーディネーターを務める佐藤雄大さん(30)は「身近な大人は先生と親だけしか知らない―という状況から脱して、地域や外部の異世代の人たちの意見や視野を知ることで、新たな気付きや将来の道に進むきっかけを作ってあげたい」と意気込む。
同校は、アイヌ文化や歴史、地域住民の生活などを学ぶ授業「地域学」を2018年度から取り入れている。担当する志田健教諭(56)は「白老には『魅力ある場や人がいる』ということを地元の高校に通いながら経験することは、将来の人生にとって欠かせない」と話している。