縄文と現代をつなぐ美術と考古(3) 成田亨と土偶

  • 特集, 苫小牧市美術博物館
  • 2023年8月19日
(左から)成田亨《ダダ》1966年青森県立美術館蔵©EternalUniverse/国宝「合掌土偶」レプリカ八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館蔵/成田亨《ウルトラマン初稿》66年青森県立美術館蔵©EternalUniverse/「遮光器土偶(泉山コレクション)」縄文時代晩期八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館蔵/成田亨《ベル星人》67年青森県立美術館蔵©EternalUniverse

 青森県出身の成田亨(1929~2002)は、彫刻家と美術監督という二つの顔を持つ美術家であり、ウルトラシリーズの初期3部作のヒーローや怪獣、星人などのデザインを手掛けたことで知られている。「変形」や「合成」といった手法を用いながら意外性の高いフォルムを創出した成田のデザインは、動植物の図版をはじめ原始美術から同時代の視覚芸術に至るまで、多種多様なイメージが源泉となっており、見る者に既視感を与えるゆえんがそこにある。

 本展では、成田の原画作品を紹介するとともに、縄文時代の土偶についても展示している。成田本人がどこまで意識していたかは別にして、いかり肩のかぶとやよろいをまとうかのような独特のフォルム、身体の表面に刻印された文様などは、土偶の造形と類似を示すように映る。

 人間を超越したヒーローや怪獣をそれぞれ「コスモス(秩序)」と「カオス(混沌)」として位置付けた成田にとって、両者はいずれも神や仏、鬼などに類する超自然的な存在であった。縄文時代の土偶も人間を超越した偶像としてあがめられていた可能性があることから、両者の人型に類似を見るのは、あながち飛躍した考えとは言い切れまい。さらにいえば、時代の変遷により社会構造や生活様式が変容しても、自然ないし人の姿、そして偶像に込められた思念は大差のないことだろう。

 本展の観覧を通して、時代を超えて通底する人間の普遍的な精神や美的感覚を、ぜひ感じ取っていただきたい。

 (苫小牧市美術博物館学芸員 細矢久人)

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