ごみ拾い活動4年目 小さな環境グループの大きな志

  • 救護室のカルテ, 特集
  • 2023年8月18日
先月のごみ拾いにて

  2020年に発足したわが家の小さな環境グループ「地球お守りチーム」の活動も、早いもので4年目を迎えました。当時小学校4年生だった長男と、環境のために何かできないかと話していたことがきっかけで始まった、わが家のごみ拾い活動。年長だった長女がグループの名付け親となり、それから毎月、海岸などでごみ拾いをしています。

   当初は家族だけでごみ拾いをしていましたが、ありがたいことに今では多くの方々と活動できる機会も増え、先月はこれまでで最多の35人で実施することができ、活動の輪の広がりを実感します。また、SNSやメディアなどで活動を見てくださった方から温かな言葉を頂いたり、環境省から海洋保全のTシャツを贈呈いただくなど、多くの方々からの心遣いに、子どもたちの活動の励みとなっています。

   しかし、ごみの量はなかなか減りません。毎月のように訪れる場所でさえ、拾っても拾っても、新たに捨てられたごみ、どこからか流れ着いたごみを目にします。大量のたばこの吸い殻、空き缶やペットボトル、漁業関連のもの。中には、うっかり誰かが落としてしまったものもあるのでしょうが、明らかに大人が故意に捨てたであろうごみが圧倒的に多く、それを子どもたちの小さな手で拾う姿は、いつ見ても胸が痛みます。

   先日も、見るにつらいものが発見されました。それは、網に絡まった鳥の骨でした。魚を捕まえるために潜水していた海鳥が網に絡まり、そのまま溺死してしまったのでしょう。その姿が、参加していた子どもたちにもかなり印象深かったようで、ごみ拾いが終わった後もこの鳥の話をしていたと、幾人かの保護者からお話を伺いました。

   このようにごみ拾いの現場では、時には目を背けたくなるような場面を目の当たりにすることがあります。さまざまな企業や団体も、自然環境の悪化や野生動物の被害をなくすために日々尽力されていますが問題の解決に至らないこともあります。それでも諦めることなく、私たちも一丸となり、まずは目の前の現実に向き合うことが大切だと感じます。そして、今できることを行動に移すことこそが、地球環境を守る一歩になるのだと信じ、これからも活動を続けていきたいと思います。

  (ウトナイ湖野生鳥獣保護センター・山田智子獣医師)

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