原発から出る使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設を巡り、山口県上関町で18日、臨時議会が開かれた。中国電力が申し入れた関西電力との共同開発に向けた調査について、西哲夫町長は受け入れを表明した。
西町長は議会冒頭、厳しい財政状況を背景に、財源確保の必要性を説明。あくまで調査の受け入れで、「施設の是非について判断するものではない」と理解を求めた。また、「住民説明会など丁寧に分かりやすく説明を尽くすよう要請する考えだ」とも述べた。
一方、反対意見を述べた山戸孝町議は、最終処分場のめどが立たないことなどから「貯蔵がいつまでも続く危惧がある」と指摘。関電との共同開発についても「なぜ関電の核のごみを私たちの町に持ってくるのかという住民感情がある」と批判。「分断を生む財源確保策はまちづくりに寄与しない」と訴えた。
中国電は町内で計画を進める上関原発用地内に施設を建設する方針で、今月7日から町民約1000世帯を戸別訪問して説明を開始。半年程度かけてボーリング調査や文献調査などを行うとしている。
上関原発は、準備工事が2011年の東京電力福島第1原発事故を機に中断。町への原発関連交付金が減る中、地域振興策の提案を求められた中国電が今月2日、中間貯蔵施設の建設に向けた調査の実施を申し入れていた。
使用済み核燃料の貯蔵施設は、青森県むつ市で東電などが出資するリサイクル燃料備蓄センターが10年に着工されたが、稼働時期が再三延期されている。