全国戦没者追悼式に青少年献花者として参列する高校1年の柴山捷さん(16)=川崎市幸区=は、曽祖父が戦死した話を家族から聞き、「戦争についてもっと知りたくなった」という。
曽祖父の富永敏治さんは1912年、5人兄弟の次男として茨城県常陸太田市に生まれた。息子で捷さんの祖父に当たる正敏さん(85)が小学校に上がる前に出征。終戦間際の45年2月13日、中国河北省で亡くなった。
遺骨は正敏さんらが受け取った。きり箱に納められていたが、移動中のトラックが揺れるたびに「カラン、カランと音がした」という。「中身を見て何もなかったらがっかりするから」と箱は開けずに埋葬した。
捷さんが敏治さんについて初めて聞いたのは小学校低学年の時。親族が戦死したと知り、「戦争を身近に感じた」と振り返る。
戦争を知らない世代が増える中、「語り継いでいけるならそうしたい。忘れてはいけないことだと思う」と語気を強める。ロシアによるウクライナ侵攻に「関係ない人たちも巻き込まれているので悲しい」と心を痛め、「戦争で亡くなった人たちの思いをのせて献花したい」と話した。