白老町虎杖浜73の虎杖浜温泉ホテルを運営する虎杖(笠師利章社長)は、来春オープンの予定で温泉棟の新築工事を進めている。現在の温泉棟は築60年ほどで老朽化しており、棟内の温泉とプール、休憩所を9月末までに閉鎖して取り壊す。
同社は2017年1月、前経営者から施設と事業を引き継いだ。現在は20~73歳の32人が勤務している。
新たな温泉棟の建屋は鉄筋平屋建てで、延べ床面積は680・33平方メートル。目玉とする男女別の大浴場や露天風呂には、ジェットバス、サウナ、水風呂などを備える。温泉は、塩化ナトリウム泉で源泉かけ流し。サウナは、熱した石に一定の間隔で自動的に水を流す仕組みを持った「オートロウリュ」を採用する。
温泉―休憩室―レストランはつないで行き来できるようにし、室温は温泉排水を利活用した床暖房で温かく保ち、二酸化炭素排出抑制にもつなげる。休憩室にはリクライニングシートを備え、レストランは日中に営業。宿泊客、日帰り客ともゆったり滞在できる施設にしていく考え。鉄筋5階建て、33室の宿泊棟とは15・85平方メートルの廊下でつなぐ。
笠師社長(50)は「より清潔でリラックスできる施設に生まれ変わる。若年層の利用も開拓していきたい」と意欲を見せる。
新築は約2年前に計画し、今年5月中旬に着工した。建屋は8月中にも完成し、内装工事に入っていく予定。
虎杖浜では来年7月、日本源泉かけ流し温泉協会主催の全国温泉サミットin虎杖浜温泉が開かれる。笠師社長を実行委員長とする地元の実行委員会が主管し、旧温泉棟の敷地をメイン会場とする見通し。同会主催のサミットは5年ぶりで、国道に面した立地はアクセスしやすい利点がある。
また、新築後は日帰り客を従来の1・6倍に増やす目標も立てており、笠師社長は「虎杖浜温泉地域の中心的な存在になれたら」と意気込んでいる。