白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は11日、敷地内で「陣屋の日イベント2023」を開いた。親子連れなど約200人が訪れ、アイヌ古式舞踊、白老東高校生による館内資料解説、よろいかぶとの試着体験など、さまざまなプログラムを楽しんだ。
10日に町内で行われた仙台藩士墓地供養祭と陣屋ゆかりの塩竈(しおがま)神社例大祭にちなんだ催しで、同資料館の陣屋跡積極活用プロジェクト。白老仙台藩陣屋跡が国指定史跡40周年を迎えた2006年に初開催し、同史跡が昨秋、北海道遺産に選定されてからは初めてとなる。
資料館前広場では、白老民族芸能保存会がイオマンテリムセなどのアイヌ古式舞踊、虎杖浜越後踊り保存会が虎杖浜越後盆踊りを披露した。1969年7月、町制15周年を記念して町が制作した「どさんこ音頭」の歌と踊りも町竹浦の瀧谷京子さん(54)らによって再現された。来場者も踊りに加わり、郷土の伝統芸能を体験した。
このほか、抹茶の提供や綿あめ、せんべい焼きの体験コーナを設け、子供たちの人気を集めた。5月に同資料館のガイドとしてデビューした白老東高の2年生2人は展示解説やクイズラリーを行い、来館者の疑問に丁寧に応じていた。
また、室蘭登別たたらの会は「たたら製鉄」のけら出しを実演で紹介。来場者は、資料館の屋内外で展開された夏のイベントを満喫した。
同資料館友の会の川西政幸会長(80)は「史跡は白老のアイデンティティの一つ。来年は開館40年、町制施行70年の節目。皆さんますます協力を」と呼び掛けた。