白老町は8日、町議会全員協議会で、町立国民健康保険病院の医師派遣事業や会計年度任用職員の給与過払い問題について再発防止策を報告した。大塩英男町長は「不適切な事務処理がなされていた事実は誠にざんきに堪えない。私を先頭に役場職員全員が問題をしっかりと受け止め、襟を正して町民からの信頼回復に努めたい」と陳謝。副町長を委員長とする「白老町立病院改革委員会」(仮称)を早急に設置して病院職員の意識改革を進める考えを明らかにした。
議会は(1)町立特別養護老人ホームの運営法人への嘱託医派遣業務(2)同院から町内の民間法人などへの産業医派遣(3)同院の会計年度任用職員に対する給与過払い―の3点について町側に説明を求めていた。
町や内部調査委員会の報告書などによると、嘱託医派遣については委託料収入を預り金とする不適切な会計処理などが発覚。産業医派遣では、医師への報酬を時間外手当として支給する不適正な事務処理があった。会計年度任用職員の給与については、一般事務職1人に対し、本来は医師や看護師など国家資格を有する職員らに行う加算規定を適用しており「違法な給与支払い」とした。
問題の発生原因については、事務担当職員の法令順守意識の欠如や会計処理の知識不足といった人的要因と、責任の所在が曖昧で組織的判断やチェック体制が機能していない組織的要因の2点を挙げた。
再発防止策としては、改革委設置や専門家を交えた定期的な会計指導といった監査機能強化、理事者や病院長の運営への積極的な関与体制整備などを掲げた。
大塩町長は今後の対応に関し、「ルールを守れなかった職員の許されない行為について厳正な処分をしたい」と述べた。