日本大学生物資源科学部国際地域開発学科(国際共生学科)の3、4年生33人が7~9日、白老町を訪れ、民族共生象徴空間(ウポポイ)の見学などを通じて地域のアイヌ文化に触れた。
同学科は、比較文化や多文化共生をテーマに国内外の諸課題に取り組む人材を養成している。訪問は比較文化ゼミナール夏季研修の一環で、先住民族の文化を尊重し、差別のない多様で豊かな地域社会の構築に向けて学びたいと同町を選んだ。
7日は町コミュニティセンター(町本町)で、アイヌ文様の刺しゅうが入った巾着作りに挑戦した。しらおいイオル事務所チキサニ(町末広町)では、展示品の見学や学芸員との意見交換をした後、ムックリ(口琴)の制作・演奏体験や弓矢を使った狩猟の模擬体験をした。
教員志望の4年生、川本晃瑶(こうよう)さん(22)は「文献やイメージだけでなく、体験を通してアイヌ文化が現在も息づいていることを知った。現場で学ぶ大切さを再確認した」と話していた。
8~9日は、国立アイヌ民族博物館、仙台藩白老元陣屋資料館の見学やオハウ(温かい汁物)の試食、アイヌ関連政策についての学習に臨んだ。