日本大学アメリカンフットボール部の部員が覚醒剤などを所持したとして逮捕された事件で、日大の林真理子理事長らは8日、記者会見し「多大なご迷惑とご心配をおかけした」と謝罪した。薬物とみられるものを発見後、警視庁への報告が12日後となったのは、違法薬物だとの確証がなかったなどと説明。「隠蔽(いんぺい)と言われるのは遺憾」と強調した。
会見では「寮内で部員が大麻を吸っている可能性がある」との情報が大学側に寄せられていたのに、「大麻とみられるものを吸った」と申告した部員を厳重注意で終わらせるなどの対応も明らかになった。
日大は7月6日、寮内で部員の所持品を検査し、ベッドに備え付けの収納箱の中から植物細片などを発見した。検査に先立ち、「どうしても見せたくない所持品は見ない」と説明していた。
林氏は同月18日、学生の保護者を名乗る人物から、部員の大麻使用に関する手紙を受け取った。警視庁への連絡はこれがきっかけになったといい、会見に同席した沢田康広副学長は「理事長に手紙も届き、警察に報告しないといけないと思った」と話した。
沢田氏は、すぐに警視庁に連絡をしなかった理由について、「学生に反省してもらい、自首させようと思っていた」と説明。その上で、「(違法薬物だと)はっきり分からず、植物細片などは入れ物ごと大学本部へ持ち帰り、私の責任の下で保管した」と話した。
会見では、部員の1人が昨年11月、大学側に「大麻とみられるものを吸った」と申告していたことも明らかにした。しかし、吸ったとされる時期から時間が経過して事実確認ができないとして、厳重注意処分にとどめたという。