むかわ町は7日、2025年3月末の完成を目指す事前復興計画の策定に関し、専門家を招いた会議を町産業会館で開いた。策定するのは、防災・減災対策と並行して被災後のまちづくりについて事前に準備し、被害を最小限にとどめるとともに迅速な復興を進める両面をにらんだ計画。全国でも例が少なく、策定されれば道内では初となる。
専門家会議は北海道大学や北見工業大学、苫小牧工業高等専門学校、道立総合研究機構建築研究本部のメンバーらで構成。出席した竹中喜之町長は冒頭、「災禍を受けた町として、海溝型地震や自然災害への備え、発災後の速やかな復興の道筋を平時から共有できるように、皆さまの知見や手法を寄せていただきたい。いざという時にゼロから始めるのと一から始めるのでは大きく違う」と協力を求めた。
会議では、和歌山や高知県の自治体の事例や、むかわ町の策定の進め方について説明があった後、専門家が意見を述べた。
北大の高橋浩晃教授は「形だけではなく、地域の実態に即した計画を目指すことが重要。むかわ町の強みは、胆振東部地震からの復興のノウハウがあること」とアドバイス。北見工大の高橋清教授は「まちづくりを長期的に考えるきっかけになる。いかに住民と合意形成できるかが大事で、策定のプロセスに町民との意見交換の場を取り入れてほしい」と提言した。