白老町北吉原地区で7日、七夕行事として伝わる「ろうそくもらい」が行われた。
子どもたち約40人が地域の家を練り歩き、玄関前で「ろうそくだーせ、だーせーよ」と大合唱。大人たちは懐かしそうに歓迎し、ろうそくの代わりに菓子を手渡した。萩野小2年の佐藤ひまりさん(8)は「みんなで一緒に歌って、お菓子をもらうのが楽しみ」と笑顔を見せた。
風習の継承に努める有志の一人、高橋民枝さん(75)によると、同地区の「ろうそくもらい」は70年以上続いている。室蘭や千歳、函館など道内各地で見られる行事だが、地域によって子どもたちが歌う内容などに違いがある。
夫の良一さん(73)は「ろうそくもらいは地域や世代のつながりを感じる。子どもたちにとっても夏休みに食べるおやつが増えていいのでは」と話し、地域の人たちが顔見知りになることで災害などの緊急時にも役立つとメリットを挙げる。2018年9月の胆振東部地震で大規模停電が発生した際も、高橋さん宅のガス釜で近所の人たちのご飯を炊いたという。