白老アイヌ協会は5日、白老アイヌ民族記念広場(町高砂町2)で第19回白老アイヌ碑先祖供養祭を行った。関係者約100人が伝統の儀礼「シンヌラッパ」で祖先をしのんだ。
同協会の新井田幹夫さんが祭司を務め、アイヌ文様の民族衣装に身を包んだ関係者が伝統の作法で先人を供養した。主催者あいさつで山丸和幸理事長は「来年は新しい生活館の完成に加え、町制70年、先祖供養祭も20回の節目になる。盛大に行いたい」と述べた。来賓の大塩英男町長は「今の白老の礎をつくったアイヌの方々に敬意を表する」とあいさつし、戸田安彦道議や松田謙吾町議会議長も祝辞を述べた。
儀式を終えた参加者は、オハウ(温かい汁物)などの伝統料理を味わい、交流を深めた。札幌ウポポ保存会による古式舞踊も披露され、祭りに花を添えた。
記念広場は、大正から昭和にかけて地域のアイヌ民族のために献身的な医療活動を続けた故高橋房次医師の病院跡地。近くにはかつてアイヌの子どもたちが学んだ白老第2小学校があり、民族ゆかりの地として2005年8月10日、有志らがアイヌ碑を建立した。以来毎年この時期に、先人の労苦と偉業をしのび、同協会が先祖供養祭を行っている。