子どもたちが、たくさんの汗と、時には涙も流して取り組むスポーツ。わが家では次男が小学校からサッカーに挑戦した。ある大会で時間内に勝敗が決まらずPK戦にもつれ込んだ。Kちゃんの蹴ったボールがゴールを外れた瞬間、泣き崩れそうな表情のKちゃんのところにみんなが駆け寄って支えた。言葉は聞こえない。親は抱き合う子どもたちを見守るだけだ。スポーツを通してしか学べないことがある。子どもたちに教えられた。
第105回全国高校野球選手権記念大会があす開幕する。各地の予選を勝ち抜いたチームが甲子園に集まった。母校の名が合同チームからも消える予選の寂しさ。少子化が進んで、地方の高校は予選参加もままならないのだ。主催の朝日新聞の、先日の紙面に「野球用具をそろえることが部員集めのハードルになっている―」との記事があった。考えさせられた。調査に「グラブやバット、ユニフォームなど用具代が高く野球を断念する生徒も少なくない」との回答があった。
用品メーカーの調べでは競技別の初期費用は硬式野球6万5千~8万円。テニスやサッカー、陸上競技の3~4倍になる計算。新品で6万円もする捕手用のミットを中古に替え、部が所有して貸し出す高校もあるとか。甲子園は遠い。(水)