太平洋上の高気圧の張り出した気圧配置が続いている。記録的な猛暑だが、夏の風が海から届く苫小牧の気温は内陸部より低い。夏の涼しさと冬の少雪はこの地域の長所と思う。ただ南風が続くと漂着ごみが増える。大雨の後は根付きの木や生活ごみが河口周辺の海岸を埋め尽くすが、しけでもないのにごみが上がるのは浮遊物が風で運ばれてくるためだ。
先日、弁天浜でもポイ捨てとともに漂着ごみとおぼしき物が多数目に付いた。漁具以外は例えば中国語やハングル表記の飲料容器など。別の所にはハングルのオイル缶、中国の加工食品のプラスチック容器もあった。判別可能な字でネット検索すると中国企業が製造したニンニクの塩漬けだった。日本国内で排出されたものか、中国から流れてきたか。しけで再び海に戻る物もあるかもしれない。
太平洋には「ごみベルト」がある。大洋の中央辺りに浮遊するごみの塊のことだ。面積は日本の国土の2倍、あるいは4倍との指摘もある。オランダの環境NGOのリポートによると、ごみを構成している大部分は日本、韓国、中国、台湾の漁業や養殖事業に由来するという。震災ごみも含まれているかもしれない。
浜のごみから連想する問題の重たさが、潮風の心地よさを忘れさせる。(司)