36年前、母校へ教育実習へ行く機会があった。まだお世話になった教員が大半で、予想以上に歓迎された。そんな雰囲気に「何かおかしい?」。学校がバタバタしている。
後に知ったが、高校総体の2カ月前だった。バドミントンの会場で、母校からも選手が出場するので盛り上がりもすごかった。
実習が始まると、担当教員が「きょうの2、4時間目頼むな。指導案は後でいいから」。実習期間の3週間、予定していた時間の倍以上の授業を担当した。いい経験になったので感謝しているが、それでも帰りは毎日午後9時をすぎた。
歓迎された理由は総体準備で教員が席を外すことが多くなる期間「いいタイミングで教育実習に来てくれた」だった。地元開催の高校総体の準備は前の年から始まり、想像以上の忙しさだったと聞いた。
先月22日から苫小牧市でソフトテニス、テニスの高校総体が開催されている。会場で取材していると、真っ黒に日焼けした運営・大会補助の教員が会場を巡回している。IDを見ると胆振管内のほか、道内各地から来苫している。36年前のバタバタを思い起こすと、熱戦の陰で大会を支える関係者に頭が下がる。 (高)