がん患者の痛みの緩和に医療用大麻が有効であったと、国際共同研究グループが発表した。
研究グループは、カナダのケベック州で医療用大麻を使用したがん患者358人(平均年齢57.6歳)の2015年5月~18年10月のデータを収集し、医療用大麻の痛みに対する有効性や安全性を調べた。
その結果、痛みの程度は医療用大麻の使用開始時点と比べ、3カ月後、6カ月後、9カ月後の全ての時点で改善していた。また、鎮痛薬のオピオイド系薬の使用量も減少した。
副作用は11人の患者から15件報告されたが、眠気や倦怠(けんたい)感などが多く、肺炎などの重い副作用は2件のみで、これらは医療用大麻と関連する可能性は低いと推定された。研究グループは「オピオイド系薬などで痛みが緩和されないがん患者に対し、十分な知識と経験を持つ医師による医療用大麻の処方は、安全な選択肢になり得る」としている。
(メディカルトリビューン=時事)